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書庫的ななにか

Archive2012年01月 1/1

あくまであくま 33

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  33 レヴィと実房は、ひとつのベッドに上がって向かい合っている。 普段は宙を漂っているレヴィもいまばかりは重力にその身体を預け、銀髪もしっとりと下りて、その奥から端正なレヴィの顔が覗く。 メルは実房の勉強机にぴょんと乗って、足を組み、にやにやと笑いながらベッドを見ていた。「ほら、どうしたん、早うしいな」「は、はあ……ちょ、ちょっと、あんた、わかってるでしょうね?」 レヴィがメルには聞こえないように...

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あくまであくま 32

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  32 いかにも親しげに、「やあ」 なんて言われたものだから、実房もつい片手を上げて、「おう」 と答えたはいいものの、それが何者か、まったく心当たりがない。 妙な女――というより、少女だ。 背が低く、子どものような外見をしている。 髪は濡れたような漆黒で、毛先が外に跳ね、少年のような短髪である。 目がくりくりとして大きく、唇はうすい。 半ズボンをサスペンダーで留め、ポロシャツを着ている姿は少年にしか...

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あくまであくま 31

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  31 ときの流れは不思議なもので、意識しているときにはゆったりとして身動ぎもしないように思われるのに、ふと目を離すとまたたく間に過ぎ去っている。 さらに一週間、二週間とすぎて――気づけば十月も終わりが見えてきたころだ。 このひと月でぐっと気温は下がり、にわかに秋めいてきている。 待ちゆくひとびとの格好も、夏よりは断然冬に近い。 とくに冷え込む朝などは秋色のコートを羽織る男女もいるほどで、秋どころか...

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あくまであくま 30

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  30 二日経ち、三日がすぎる。 明けて、四日目だ。 そのあいだ、実房は毎朝同じことを繰り返した。 朝食の時間、聖絵が部屋から下りてくるのを待って、澪と聖絵にペニスを咥えさせる――それを飽きもせず、毎日行った。 すこしずつだが、成果も出ている。 能力を使い、ふたりに逸物を咥えさせてから反応が出るまでの感覚が短くなっているのだ。 はじめは五分、十分とかかったのが、いまはほんの二、三分で自分からペニスを...

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あくまであくま 29

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  29「これは、一種の催眠として使えるんじゃないのか?」 不意に言い出した実房に、いつものように実房の部屋でふわふわと宙を漂っていたレヴィはびくりと肩をふるわせた。「び、びっくりした――どうしたの、突然」「いや、ずっと考えてはいたんだが」 と実房はまじめな顔で腕組みする。 そうしていると、本当になにか知的で建設的な問題に取り組んでいるかのように見えるのが不思議だった。「姿を消す能力ってのは、まわりの...

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あくまであくま 28

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  28 実房の身近には、いい実験台がいた。 妹の聖絵だ。 時間を止めて、あるいは互いの同意があって、いままでもあれこれやってきた仲である。 もし失敗しても聖絵なら問題なかろうと、実房も得た能力を存分に使う。 ――たとえば、聖絵が学校から帰ってきたとき。 実房は予め能力を使い、聖絵の部屋のベッドに腰掛けている。 そこに制服姿の聖絵が帰ってきて、「うー、今日も疲れたー」 鞄と自分の身体をベッドに投げ出す...

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あくまであくま 27

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  27「だから――んんっ――こ、この公式は――あんっ――重要だから、んぅ、ちゃんと覚えておくよう――きゃんっ――」 森閑たる授業中である。 ほかの教師ならいざ知らず、数学教師の菅沼蘭の授業は、いつも私語など一切起こらず、どこの進学校かというほどまじめな雰囲気で進む。 第一には蘭が厳しいということもあるが、それ以上に、授業がわかりやすく、理解する楽しさというのを生徒たちは身を持って知っているのだ。 おかげで無駄...

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あくまであくま 26

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  26 レヴィの細い指先が実房の額を離れた。 身体に新しい力が根付いたせいか、実房は頭の芯がわずかに重たいような気だるさを感じた。「言っておくけど、この力も無制限に使えるわけじゃないからね」 身体を丸めるようにして宙を漂いながら、レヴィが言う。「制限は時間を止めるのといっしょ。いまは――二時間だったかしら? だったら姿を消せる時間も二時間だけ。その時間が過ぎたら、意志とは関係なく現れるから、そのつも...

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あくまであくま 25

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  25 基本的には鳥かご作戦を踏襲した罠である。 場所を、ビルの裏にある狭苦しい袋小路に変えている。 実房はいつものように――というのも妙な話だが、ともかく時間を止めて、手頃な女をひとり、その裏路地へ連れ込んでいた。「――普段なら、わざわざこんなことはしないけど」 これも作戦のためだ。 マネキンのように女を抱え、裏路地へ消えていく実房を、すでに上空から見ている影がある。「――また悪行をするつもりですわね...

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あくまであくま 24

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  24 天使アリエルを捕まえることは、決して容易ではなかった。 なにしろアリエルには実体というものがない――空中に浮かび上がる船のようなもので、捕らえようとしてもそこに肉体はないのだ。 しかしともかく、近づき、尻尾を押さえないことには意味がない。 実房はアリエル捕獲のため、いくつかの作戦を立てたが、それはことごとく失敗に終わっていた。 まず試したのは、名づけて「鳥かご作戦」である。 さほど複雑でもな...

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あくまであくま 23

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  23 実房の、文字どおりの魔の手は、当然自分のクラスだけにはとどまらなかった。 前述のような乱痴気をしたその日の午後には、となりのクラスでもまったく同じことをやってのけた。 一週間もしないうちに、実房の通う学校の、すべての学年のすべてのクラスで実房は同じことをして、すべての女子生徒の身体を味わい尽くした。 食堂などで顔を合わせる女子生徒のすべての膣を味わったことがあるのだという感覚は、常に実房を...

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あくまであくま 22

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  22 実房の「楽しみ」には、いくらか準備が必要だった。 そのために実房は悪友たちから小銭を集めていたのである。 実房がまず買ったのはローションで、その用途は言わずもがなだが、ほかにも細々とデータ保存用のメモリースティックや画像や動画を一括管理できるソフトなどを買い込んだ。 珍しくパソコンに向かっている実房に、妹の聖絵の不思議がって、「お兄ちゃん、なにしてるの?」「ん、まあ、ちょっとな――」 とごま...

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あくまであくま 21

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  21 名前も知らない共犯者からのビデオは、まるで儀人を責めさいなむように続いた。 不審といえば、不審なことばかりだ――。 どれほど昏々と寝入っていても、その身を犯されて知らん顔しているはずはない。 ――それに、身体のほうはきっちり反応していたではないか。 儀人は苛立たしげに考えている。 しかし、まだ、眠っているところならいい――薬かなにかを盛られて、意識を深く失っていたのだとすれば、わからない話でもな...

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あくまであくま 20

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  20 儀人は珍しく、授業に身が入らなかった。 考えまいとしても、浮かんでくるあれこれがある。 ときには不審者の謎であり、ときには母の裸体であり、ときには写真に見た母のヴァギナであり――鮮烈に思い返すたび、儀人はあばた面を赤らめる。 その顔を、黒板よりも注視している男があった。 しばらくは黙っていたが、昼休みになるとその男、槌谷実房のほうから寄ってきて、「よう」 と旧友にでも話しかけるような口調だ。...

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あくまであくま 19

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  19 数日というもの、金沢儀人は普段と変わらない生活を送っていた。 九月も終わりに近づいている。 さすがに三十度を超えるような日はなくなって、急激に日暮れも早くなる。 気づけば秋になり、夕刻になると肌寒いような気さえして、さっそく箪笥の奥から長袖を引っ張り出したところだが、それさえも毎年のとおりだ。 制服の衣替えも近いが、まだ半袖の夏服である。 儀人が鞄をぶら下げ、いつものように帰宅すると、母親...

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あくまであくま 18

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  18 金沢儀人は部活動をしておらず、授業が終わるとすぐさま校舎を飛び出した。 まるで校舎に恐ろしい化け物がいて、それから一刻も早く逃げ出すというような急ぎようだったが――それもあながち間違いではない。 寄り道もせず、さすがに走ることはないが、早足で帰路を辿るうち、儀人はぶつぶつと呟いている。「まったく、あいつらは――だれも彼も子どもすぎるんだ。休み時間になったらすぐに騒ぎ出して、ばかみたいに――」 儀...

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あくまであくま 17

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  17 レヴィの身体ははじめから潤い、膣に至っては、桜色の肉が実房のものを求めてうずうずと焦れたようにうごめいていた。 いじらしく見上げてくる瞳を見返しながら、実房は人差し指と中指を束ねて膣へ差し入れた。「あっ、ああっ!」 レヴィの腰がぐっと立ち上がる。 実房はよく濡れた膣のなかを掘り返すように指を曲げ、ゆっくり出入りさせた。「んっ、んっ、あんっ――」 ぐちゅ、ぐちゅ、とくぐもった水音も大きく響く。...

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あくまであくま 16

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  16 秋の夕暮れのような数日であった。 気づけば、週が変わっている。 昨日、今日と最高気温は三十度をわずかに下回り、ようやく秋のはじまりかと思われたが、それでもまだ外へ出れば汗が吹き出し、室内では冷房が必要だった。 その間も実房はあれこれと忙しくしていた――身体を鍛えるということも続けていたし、友人たちの頼みも引き受け、撮影した映像は四、五時間分にもなる。 一応それらの映像は自分のためにも保存して...

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あくまであくま 15

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  15 聖絵とのことが終わったあと、実房は予定どおり、軽く身体を動かすつもりで家を出た。 走るルートはいつもと同じ、近くの公園の外周をぐるりとするだけだが、周回数はいつもよりすくなく、帰りに向かう方角も家とはちがう。 自宅より西へ西へと逸れていって、まさか沈みゆく夕日を追うわけでもないが、たどり着いたのは友人の家だった。 例の悪友五人組のひとりである。 そこで計画のとおり、高精細のビデオカメラを受...

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