どんどどん
不愉快なのでその話はしないことにして、近ごろぼくはいろんなことを考えながら暮らしている。
永遠にひとつのことを考え続けるか、いっそなにも考えずに生きていきたいのだが、それはどちらもなかなか難しいらしい。
思考と体に染みついた「くせ」のどちらが尊いのか、とよく考えるが、答えはまったく出ない。
思考は欺瞞に満ちているし、肉体はなにかといえば怠けたがって、その狭間で揺れているのが実に心地よいのだけれども、いつかはどちらかへ落ちていかなければならないのが悲しいところだ。
それにしても哲学者というのはえらいもので、ぼくなんかが思いつくかぎりの疑問は最初から答えが用意されている。
いつか、だれにも答えが出ないような疑問を考えついてみたい。
きっとどこかの天才がその疑問を解いてくれるだろうし、そうすれば思考の階段をまた一段上がれるわけで、それがもしかすると人類に貢献できる唯一の方法なのかもしれない。
小説においてその疑問が提議できたなら、それ以上の幸せはない。
そのために来年もがんばります。