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どんどどん

4 Comments
藤崎悠貴
 早十二月である。

 不愉快なのでその話はしないことにして、近ごろぼくはいろんなことを考えながら暮らしている。

 永遠にひとつのことを考え続けるか、いっそなにも考えずに生きていきたいのだが、それはどちらもなかなか難しいらしい。



 思考と体に染みついた「くせ」のどちらが尊いのか、とよく考えるが、答えはまったく出ない。

 思考は欺瞞に満ちているし、肉体はなにかといえば怠けたがって、その狭間で揺れているのが実に心地よいのだけれども、いつかはどちらかへ落ちていかなければならないのが悲しいところだ。



 それにしても哲学者というのはえらいもので、ぼくなんかが思いつくかぎりの疑問は最初から答えが用意されている。

 いつか、だれにも答えが出ないような疑問を考えついてみたい。

 きっとどこかの天才がその疑問を解いてくれるだろうし、そうすれば思考の階段をまた一段上がれるわけで、それがもしかすると人類に貢献できる唯一の方法なのかもしれない。

 小説においてその疑問が提議できたなら、それ以上の幸せはない。

 そのために来年もがんばります。
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藤崎悠貴
Posted by藤崎悠貴

Comments 4

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首領どどん  

数えきれない程の人間がそれぞれ考えているですから確かに既に答えが出ていることの方が多いですよね
でも、結論が同じだとしてもそこに辿り着くまでの過程やそこに込められた想いは人それぞれです
過程でなく結論が注目を浴びる哲学とは違い
藤崎さんの小説には物語としてその過程が書かれています
例え過去の人と同じ結論が書かれていてたとしても読者が受ける印象、想いは違っていて
それは藤崎さん独自のものだと思います
だからどうか自信を持って悩み、書き表してみて下さい
何だか上から目線みたいになってしまい申し訳ありません
楽しみにしています

2013/12/03 (Tue) 21:55 | EDIT | REPLY |   
藤崎悠貴  
Re: タイトルなし

> 数えきれない程の人間がそれぞれ考えているですから確かに既に答えが出ていることの方が多いですよね
> でも、結論が同じだとしてもそこに辿り着くまでの過程やそこに込められた想いは人それぞれです
> 過程でなく結論が注目を浴びる哲学とは違い
> 藤崎さんの小説には物語としてその過程が書かれています
> 例え過去の人と同じ結論が書かれていてたとしても読者が受ける印象、想いは違っていて
> それは藤崎さん独自のものだと思います
> だからどうか自信を持って悩み、書き表してみて下さい
> 何だか上から目線みたいになってしまい申し訳ありません
> 楽しみにしています

たしかに小説は過程と結論の体験的提出なのかもしれませんね。
結論としては同じかもしれないけど、その過程まで同じということはないし、
結局のところ小説としてはそこが重要になってくるわけで。

上からなんてとんでもない。
コメントありがとうございました。
今後ともがんばります。

2013/12/04 (Wed) 11:57 | EDIT | REPLY |   
kanade  

哲学と数学はとても似ているように思います。
誰もが自明の理であるように信じているものを複雑・難解に解きほぐし、その中からたった一つのナニかを白日の下にさらけだす。
ある意味ではとても無粋であり、だからこそ人間の知的探究心の最たるものと言える気がします。
私はパラドックスや禅問答のように思考のループに陥る事に堪らない快感を覚える時があります。それが知的な探究心によるものとは思えませんが…。

人類にとって初めての命題を突きつけるような小説、お待ちしておりますよ。

2013/12/04 (Wed) 22:53 | EDIT | REPLY |   
藤崎悠貴  
Re: タイトルなし

> 哲学と数学はとても似ているように思います。
> 誰もが自明の理であるように信じているものを複雑・難解に解きほぐし、その中からたった一つのナニかを白日の下にさらけだす。
> ある意味ではとても無粋であり、だからこそ人間の知的探究心の最たるものと言える気がします。
> 私はパラドックスや禅問答のように思考のループに陥る事に堪らない快感を覚える時があります。それが知的な探究心によるものとは思えませんが…。
>
> 人類にとって初めての命題を突きつけるような小説、お待ちしておりますよ。

パラドックス的なものって、人間の思考スケールで唯一実感できる無限なのかもしれませんね。
合わせ鏡というか、どこまでも無限に連続しているものを見るのが楽しいというのはたしかにわかります。
そのへんもしっかり考えてみるとおもしろい題材ですよねえ。

2013/12/05 (Thu) 16:20 | EDIT | REPLY |   

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